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ちゅーりっぷ前線 −記憶を辿るノォト−

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ちゅーりっぷ前線 −記憶を辿るノォト−
ブログ紹介
ここでは、

黙っていてくれて、構いません。

窓越しに、ちょっと中をのぞいてみた画廊。

そんな感じで。
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大切なものU「記憶という一冊」

2017/12/10 15:13
この数日、涙腺の締まりがまたしても
悪くなっている。
この秋には随分収まってきたはずの涙腺のだだ漏れ。
それがここ数日でまた、元のモクアミに戻ってしまった。

「母が逝ってから一年半かかりましたが、ここ最近
ようやく落ち着いてきたんですよ…」なんて会う人ごとに
言っていた秋だったのであるが。

どうしたことか…

思うに、天気予報が言うところの「真冬並みの寒さ」
のせいではないか。
ここ数日の冷気は「あの日」に似ているのである。

母が崩れるように倒れた「あの日」の空気に
近い感じがするのだ。
まざまざと蘇ってくるあの朝…
するとそれを皮切りに、本のページが風に
繰られてゆくかのごとく、記憶のページが
パラパラと繰られてゆくのである。

冷気によって繰られてゆく記憶のページ。
どうやら冷気は、私を泣かせるのを面白がっている。
だってそんなページばかり選んでくる。

(また泣かされたくっそ〜)

電車の中で歯軋りする私は、しかし本当のところ
実は喜んでいる。

母の最期の方が刻まれた記憶のページが色褪せず、
今日も冴え冴えと悲しみと尊厳を見せてくれたことが
嬉しいのである。
私は、この先もずっと泣き続ける。
泣き続けたいのである。


もしも記憶を一冊の本に例えるならば、
それは私にとってどんな名著も及ばない
大切な一冊。
悲しみ色の青いページも、夢のような
金色のページも、そのどれもが、かけがえのない
私だけの記憶なのである。




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大切なものT「こげ茶の筆入れ」

2017/11/21 17:01
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いつもそばにいる。
日に何度もさわる。
外出の時も一緒に連れてゆく。

私にとってこげ茶の筆入れは、なくてはならない道具。
使い始めてからもう、十年くらい経っているのだろうか。
姪っ子が贈ってくれた。

色も素材感も気に入ってる。
何よりも容量がちょうどいい。
必要なものが過不足なく、ちょうど全部この中に納まるのだ。

それにしても−、
こげ茶は私の好きな色だが、どうして姪っ子は知っていたのか?

いや、知らなかったと思う。
彼女独特の直感と考察力が導き出した答えなのだ。

「おぢちゃんにはこれだね」と。

それは見事、大正解であった。
私はこの筆入れをたいへん重宝しているのだから。

単に道具として以上に。

この筆入れには、贈ってくれた姪っ子の「そのとき」が
込められているような気がするから、それを見てると、
「そのとき」幸福に包まれてキラキラしていた姪っ子を
思い出すのだ。
私を笑顔にしてくれるのである。


そんな筆入れを見ながら、しみじみとした思いに耽っている
この数日…。

また見たいな。
向こうっ気が強くて、ちょっと変わったものが好きな姪っ子が、
きれいな歯を見せて笑う顔を。













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初めて胃カメラを飲む

2017/11/12 15:21
夏からどうも体調がすぐれない。
すぐに疲れてしまう、食欲がない。
夏バテかな、と思っていたのだが、
嘔吐があってからは、自分で自分に
ある嫌疑をかけ始めた。

胃ガン。

父がそれだった。
その時アルツハイマーもかなり進んでいた
父に代わって、医者からの宣告を受けたのは、
たまたま実家に帰っていた私だった。

診察室に呼ばれ丸椅子に腰掛けると、目の前の
医者がレントゲン写真を見ながら神妙な面もちで、
父の胃ガンを宣告した。
私も神妙な面もちでそれを聞いていたわけだが、
内心では不謹慎なことを思っていた。

(へぇ、このシチュエーションって、まるでテレビドラマだな…)

但し、そう感じたのはその場だけ。
現実世界ではこれといったドラマもなく、
後は淡々とことは進んで行き、それから
一年くらいで父は生涯を閉じたのであるが。


まあ兎に角、そんな経験をしたことが下地にあって、
私は胃の不調を父の最期と結びつけた嫌疑をちらりと
したのである。

するとオソロシイことに、私の体調不良を聞きつけた
身内が約1名、ちらりではなくドバーッと嫌疑をかけて
我が家にやって来た。
そして明日医者に行け、と。
二の足を踏んでるんだったら、明日私が迎えに来て
医者に連れて行く、と。

この身内の住所から我が家まで、車で1時間半。
多忙の中をわざわざ来てもらうなんて
とんでもない話である。
しかしこの人は、近所に住むとある身内とは違って
言ったら必ずやり遂げる。
私はこの人以上の「有言実行」者を知らない。

仕方がない。
私は、この凄い人が次の日もまたウチに来ないで
済むように、約束をするしかなかった。

「わかった、必ず医者に診てもらう。」


こうして私は55年間生きてきて、初めて胃カメラを
飲んだのであった。


感想は「オェ〜」、結果は「シロ」だった。



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歌姫

2017/11/02 16:38
ゆうべも月が美しかった。
帰宅の途中、赤い橋の上から見た夜の空には、
月の脇を突っ切る変わった形の雲が浮かんでいて、
月と雲の神秘的な競演に目を奪われた。

家に着くと早速伯母に報告した。
「おばちゃん、月がすんばらしいよ!」

障子を開けた伯母が素っ頓狂な声をあげ、感激した。
「まぁ!!!ほんとに!!!言葉が見つからないくらいよ!」

そしてこんなことをほざいた、いや口走ったのである。
「お月さまを讃えて歌いたくなるわね!」

伯母が歌い出したのは、「炭坑節」。
おったまげーな選曲にずっこけてしまった。

さらに驚いたのは、オリジナルの振り付けまで
披露してくれたこと。

というわけで皆さん、伯母オリジナルの炭坑節を
ご一緒に、どうぞー!



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♪つ〜き〜が〜でぇた でぇた〜
つきがぁあ でた〜♪


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あヨゥイ ヨイ


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♪あんま〜り〜 えんとつぅうがぁ
たかい〜いので〜♪

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♪さぁぞぉや〜 おつきさぁあん
けむたぁかろ♪


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さ〜のヨイヨイ
















あとちょうどひと月で101歳の伯母。
どこも悪いところの無い健康体。
かかりつけのドクター曰く
「宝です!」

9月にはテレビデビューも果たし(5秒だけ(笑))、
絶好調の歌姫であった。















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秋の空気

2017/10/26 14:48
きのう一日降っていた雨はいつ止んだのだろう。
朝刊がビニールに包まれているということは、
深夜はまだ雨降りだったのだろうか。

晴れ上がった今朝の空に目を細める。
空気が絶妙に気持ちいい。
こういう日は春と秋、数回しかないから、
今日は貴重な一日だ。噛みしめて過ごそう。


早い時間にみえた来客の相手をしている間に
着信があったらしい。
お客さんが帰られたあとチェックをすると、
登録してない番号の表示とメッセージの録音を
携帯電話は教えていた。

誰からだろう…?
録音メッセージを聞く。

H画伯の娘さんからだった。
「タチ君?**です。ご無沙汰しています。
昨夜、父が亡くなりました。我が儘な父でしたから
タチ君には随分ご迷惑をかけてしまい…」


そうであったか…!
しばらくボンヤリとしていた。
(我が儘は私も同じだ…。)

やっと折り返しの電話をかけた時、日は
だいぶ高くなっていた。


いつかは必ずやって来る日が、
昨年に続き今年も私のところにやって来た。

連続はつらいです。

何を言ってる。
まだ始まったばかりだ。
これから先、幾度もやってくるのだ。
自分の番が来るまで、知っている人の
訃報が幾度もやってくるのだ。
それが年をとるということなのだ。

そうですね、でも辛いです。
日常からひとり、またひとり、
登場人物が消えてゆくのは。


そんな物思いに沈んでいる。
昼下がりの青空に目を細めながら、今。



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明るい彩り

2017/10/25 10:49
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12月の恒例になった総合病院での個展も
今年で5回目を迎える。

昨年の苦い経験から、今年は「明るい彩り」を
テーマに描きためてきた。上の絵はその一つ。

昨年の苦い経験とは、感想ノートに書かれてあった
たった一人の数行の苦言のことである。
それ以外の数十人の感想は、当たり障りなくお褒めの
言葉が並んでいて私をホッとさせてくれたが、
そのたった一人の苦言には、数十の気遣いを蹴散らしてしまう
「負」が込められてあった。

「どうしてこんな寂しい絵を病院に飾るのですか?
ここの病院は医者の対応も悪いうえにこの絵。
余計に病気が悪くなってしまいました。」

そんな内容が斜めに傾いた癖字−言い方が悪いが、
いかにも病んでいる人の筆跡−で書かれてあった。


傷ついた、と同時に
申し訳なかった、と思った。

そして、するどい!と感心した。

なぜならその通り、昨年の絵は寂しい絵なのである。
悲しみがひとときも離れてくれない中で描いた
青い景色の絵が多かった。
悲しい心は、青い色を使いたがるらしい。

そんな描き手の負に、病人の負が感応したのだろう。

今年はそんなことのないよう、天気のいい日、
明るい気持ちの時、に描くように努めた。
(昨年は泣きながら描いていた時もあったのだ)

下は前の記事でちらりと見えていた作品。
**ちゃん喜んでくれるといいなぁ。



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副産物ビューティ

2017/10/23 14:59
台風一過の朝。

起きた時は、夜中じゅう荒れていた台風の
余波が風や空に残っていたのだが、
朝食を終えひと息ついた頃から
あれよあれよと青空が広がり始めたらしい。

室内が久しぶりに自然光でパーッと明るく
なったことに驚いた。窓から空を仰げば、なんと
一点のかげりもない青空である。


そんな午前中だから絵を描いた。
途中、先が丸くなったクレヨンを削っていて
出会った予想外の美。

ティッシュにたまった削りカス。

「きれいだなぁ…」

副産物の思わぬ美しさに見とれていると、
昼の支度をする時間に。

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食事のあと、伯母とふたりで勝手口のドアから
見える景色を堪能する。
風にざわめく樹林とその隙間の向うに
くっきりと広がる青空。

(台風が残して行ったこれも副産物の美だな。)などと…。

こじつけかなぁ。





















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