アクセスカウンタ

<<  2016年10月のブログ記事  >>  zoom RSS

トップへ


にじむ青

2016/10/25 13:17
画像



12月に控えている、とある総合病院での個展に
向けて作品を描きためた、この九月と十月だった。

その病院での個展も今年で4回め。
自分の中では毎年12月の恒例になってきている。

それ以前は12月といえば、西新宿の紅茶屋さんでの
個展だった。
ある朝マスターが突然倒れお店が終わってしまった…
までの約20年、マスターは毎年12月の展示をきまって
私の小品展にしてくれた。
それで今でも12月になると、クリスマスに彩られた西新宿
高層ビル街の華やいだ雰囲気や、賑やかな人混みや、
冬の匂いが、記憶の底の方から昇ってくるのである。

とするとこれからの二十年先、12月が来るたびきっと私は
クリスマスムードの西新宿と、総合病院に行く途中のガランと
した12月の空を、セットで思い出すのかもしれない。


さて、九月十月に描きためた絵。
水彩の青を背景に描いたパステル画11枚と
水彩の赤黄色を背景にしたクレヨン画14枚が
そのうちわけなのだが、青を背景に描いた絵には
これまでと少しだけ違う感覚で臨んだ痕跡がどこか
見て取れる、ような気がしている。
ひとりそう思っている。

空の青と海の青。
これまでは青を背景にする時、単純にそのどちらかの
青を想定して画面を作っていったものだが、しかし
今回は空の青とか海の青とか、そんな縛りに囚われないで
青と対峙した、できた、ような気がするのである。

ただただ青いだけの青。

自由で、無限で、永遠で、
どうしようもなく悲しい
青。














記事へトラックバック 0 / コメント 2


善意に苦しむ

2016/10/04 21:38
12月で百になる伯母に週に一度、一泊二日の
ショートステイに入ってもらうことにした。

まだまだしっかりしているとはいえ、私が出かけている間
伯母一人に留守番をさせることに限界を感じているのが、
決断をさせた理由の一つである。
一つ、と言うことは他にも理由があるわけだが、今ここでは
触れるのをやめておく。

さてー、
伯母のショートステイ話を聞きつけ周囲(ごくごく限られた範囲の身内)が
ざわめき始めた…らしい。
私の身の回りにいる人々は総じて善人ばかりなので、
耳に入ってくるざわめきも総じて善意から発信されているから、
これは幸福なことなのである。
有難いと思わなければならない現象なのである。
だが意に反して、私の心は不穏な揺れを繰り返す。

どうしてざわめくのかが、理解できないのである。

「へぇそうなんだ、いい施設だといいね。」で話はおしまい。
これが私の感覚なのだが、ざわめきはこの先まで言及してくる。

気をうんと使う伯母だから施設で頑張ってしまって、一泊二日は
伯母に負担になるかもしれない。慣れないショートステイがきっかけで
認知症になってはしまわぬか…と、こんな心配をざわめきは
してくれるのである。

これを電話口で聞いた時、一瞬私は絶望的な気持ちになった。
そんなことを言ってたら家族は何もできないではないか、と。

夏の終わり、私の介護生活を「それほどでもない。」と、目の前で
ざわめきの主から評価を下された。
そのときから私は、主から発信される善意をどこか複雑な思いで
受け取るのである。

有り難とうと感謝する心が、苦しみでもんどり打っている。







記事へトラックバック 0 / コメント 2


光の中で

2016/10/02 14:28
昨夜はわりと早く眠りにつけたせいか、
朝の3時半に目が覚めた。
週に一度の4時起き生活もすっかり板についてきて、
今では起きる必要のない日でもその時間付近で一度、
取り敢えずは目が開く。
大抵はそのまま目を閉じて、6時半過ぎまでの二度寝を
楽しむのだが、今朝はスッキリと完全に目が覚めてしまった。

まだ全然寒くはないので、苦もなく布団から出てまずはトイレ。
そして階下へ伯母の様子を見に下りる。

見れば伯母のベッド脇の障子が半分開けられていた。
夜空を眺めながら眠りに入ったのだろう。
窓の方に体を向け寝息を立てている伯母。

「またちょっと小さくなった…」

横向きに膝を曲げて眠る様子は、大きな猫が
ちょこんとベッドで丸まっている感じ。
そんな小さな伯母だから、ベッドがとても広くみえる。
あと二人眠れそうである。

なぜだか伯母目線で夜空を見たくなった。
ベッドの端に肘をつき、窓の向こうを見上げる。
驚いた。目に飛び込んできたのは燦然と輝く星々!
そういえばこのひと月、雲の多い毎日が続いていたせいか
星なんか随分見ていなかった。

「おばちゃん、起きてる?」
「グーグー」

「なんだ起きてたのか(笑)。星、きれいだね。」
「でしょう。このベッドからの眺めは絶景よ。」

私たちは喋ったり黙ったりしながら、星を見続けた。
やがて東の空がほんのりと明るくなってきた。
時計は5時5分を指していた。
眠くなってきたので二度寝をしに二階に戻ることにした。


7時過ぎ、二度寝から覚める。
私のベッドからは空はあまり見えない代わり、
樹林越しに川面がよく見えるのだが、その景色が
光に満ち溢れて金色に輝いて見えた、大袈裟でなく。
眩しい朝など忘れかけていたのだ。
こんな気持ちのいい晴天は、八月の終わりから
九月いっぱい全くなかったのだから。


新聞を取りに庭に出ると、片隅にコルチカムが3つ咲いていた。
その3つに今朝咲いた朝顔5つを足して、母の仏前に供える。

画像





朝食のあと伯母にコーヒーを持っていくと、
光の中で本を読んでいた。

その姿は、今朝見た川面のように金色に輝いていた。

画像




















記事へトラックバック / コメント


<<  2016年10月のブログ記事  >> 

トップへ

ちゅーりっぷ前線 −記憶を辿るノォト− 2016年10月のブログ記事/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる